意匠やそこにある想い入れも継承。建物の佇まいを守る、タイルの再利用技術「モルトール」

写真:北菓楼 札幌本館(竹中工務店)

概 要

モルトールとは、歴史的建築物等の文化的価値のある建物外壁の保存/修復に有効な外壁タイルの再生利用技術だ。デザインや風合いを維持し継承ができる。具体的には、既存のタイルを剥がし約10倍に希釈した塩酸水につけることで、タイルに付着しているモルタルを溶解により除去し、タイルを再利用するものである。

竹中工務店では、この「モルトール®」を1926年竣工の北海道庁立図書館をカフェ・菓子店舗に転用した「北菓楼 札幌本館」の改築工事に初適用した。建物は歴史を感じる佇まいを守りつつ路面店として再生している。

タイル再利用における課題

歴史的建築物などの文化的に価値のある建物では、既存タイルを廃棄せずに再利用することが、歴史的なデザイン価値を継承するうえで大きな意味を持つ。

しかし、建物から剥がしたタイルの裏面には張付け材となるセメントモルタルが付着している。そのセメントモルタルを、タイルの破損なしに効率的にかつ綺麗に除去することは技術的な課題となっていた。

そこで竹中工務店では、タイル再利用技術の「モルトール®」を開発。1926年竣工の北海道庁立図書館をカフェ・菓子店舗に転用した「北菓楼 札幌本館」の改築工事に初適用した。建物は歴史を感じる佇まいを守りつつ路面店として再生している。

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建設技術
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